(い)一般債権者

一般債権者とは担保がない債権者のこと

一般債権者とは、お金を貸している債権者の中で担保を持っていない人のことです。担保を持っている債権者は抵当権者と呼ばれ、一般債権者と区別されます。

債務者が自己破産をしたときに、債権者には残った財産が分配されます。財産の分配には優先順位があり、その順番は法律によって決められています。このとき一般債権者より先に分配される種類の債権がいくつかあるため、優先される債権が多いときに一般債権者はほとんど債務を回収できません。

一般債権者より先に財産を回収できる債権は、国税や地方税、国民年金や国民健康保険料、共益費用、雇用者への給料、葬式費用、日用品に関する費用です。

一般債権者の権利を保護するため、ふたつの制度がある

一般債権者が債務を回収する権利を保護するため、債権者代位権と詐害行為取消権という制度が用意されています。

債権者代位権は債権を代理回収できる権利

債権者代位権とは、債務回収のために債務者が持っている権利を債権者がかわりに行使できる権利のことです。例えば債務の返済を行わない債務者が、他の人にお金を貸していたのに回収しない場合、一般債権者は債権者代位権を使って債務者に代わって借金を回収することができるのです。

債権者代位権を使うには以下の条件を満たす必要があります。
・債務者が無資力である
・債務者が自ら権利を行使しない
・債権の弁済期が到来している
・債務者の一身専属権でないこと

詐害行為取消権とは財産隠しを阻止する権利

詐害行為取消権とは債権者取消権とも呼ばれ、債務者が行った詐害行為の取り消しを裁判所に求めることができる権利です。例えば債務者が自己破産をする前に金銭を家族に譲渡して財産を隠そうとした場合、一般債権者はこの譲渡の取り消しを求めることができます。

詐害行為取消権を使うには以下の条件があります。
・債務者が無資力である
・詐害行為の前に債権が成立している
・詐害意思があること
・財産権を目的とした法律行為であること

以上のように、債権者代位権と詐害行為取消権が行使できる状況は限られています。高額なローンを組む際に担保を定めなければいけない場合があります。これは債権者が確実に債権の回収を行うためです。担保を設定していない債務は一般債務となり、債権者代位権と詐害行為取消権があったとしても回収が難しくなります。

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